力で押すしかない、と思っていた。稲盛和夫「無限の能力があると信じなさい」

力で押す

自分には、たいした能力はない。
そう思うとき、根拠はたいてい過去にあります。

稲盛和夫氏は『京セラフィロソフィ』で、その根拠を認めたうえで、それでもなお「無限の能力があると信じなさい」と言います。

精神論に聞こえるかもしれません。
ただ、合気道の稽古をしていると、常識では信じられないことが、事実として起きます。
力で押すしかないと思っていた相手が、力を抜いたときに動く。

自分には無理だと決める前に、試したのがいつものやり方だけではなかったか。
そこを確かめる価値はあります。

目次

稲盛和夫「無限の能力があると信じなさい」

無限の能力がある

多くの人は、自分はそれほど優秀だとは思っていないはずです。例えば、小学校のころから何度も忘れ物をしたし、試験でヤマが外れて零点を取ったことさえあった、だから、無限に近い能力が自分にあるなんて、とても信じられない、このように思うことでしょう。それでもなお、私は「無限の能力があると信じなさい」と皆さんに言います。
(稲盛和夫『京セラフィロソフィ』より)

稲盛氏は、信じられない理由を先に書いています。
忘れ物をした。ヤマが外れて零点を取った。

過去を否定していません。
そういう過去があると認めたまま、それでもなお信じなさい、と言っています。

力で押すと、相手は反発する

合気道で、相手と合わせたあと、自分の思う方向へ導く場面があります。

ここで、たいていは力を入れて押したり、引っ張ったりしてしまう。
相手を動かすには、こちらが力で動かすしかないと思っているからです。

力でぶつかると、相手は無意識にその力に反発します。
押せば押すほど、動かなくなります。

力を抜くと、相手は動かされた感覚すらなく動く

なぜ動かされたのかわからない

力を入れずに、相手を動かす。
そう聞いても、何を言っているのか分からない。

それでも合気道では、力を抜けと言います。

接点を動かさない。こちらの意図を、相手に察知させないためです。
そのために力を抜いて、やる気にならない。やる気になると、その意図が接点から相手に伝わってしまいます。

合わせた状態のまま、脱力しながら、軸を立てて、丹田で動く。

すると相手は、動かされた感覚すらなく、導かれていきます。

普通の常識では、想像すらできないことです。
それでも道場では、事実としてそうやって相手を動かしています。

信じられないのは、まだ試していないから

力で押して動かなかった経験は、誰にでもあります。
そこから、自分には相手を動かす力がない、と結論を出してしまう。

ただ、それは力で押したときの結果です。
力を抜いて試したことは、まだありません。

稲盛氏の言う零点も、ヤマを張るというやり方で外れた結果です。
そのやり方で外れたからといって、能力の上限が決まったわけではありません。

稲盛氏が「それでもなお信じなさい」と言うのは、その先を試させるためだと受け取っています。
信じていなければ、力を抜いてみようとすら思わないからです。

仕事で「自分には無理だ」と思ったとき

新しいことをやってみる

仕事でも、自分には無理だと感じる場面があります。
人が動いてくれない。何度やっても、同じところでつまずく。

そういうとき振り返ると、同じやり方のまま、力だけを強めて繰り返していることがあります。

そこで、自分の能力が足りないと決めてしまう前に、一つだけ確かめる。
試したのは、いつものやり方だけではなかったか。

別のやり方は、まだ残っています。

今日の稽古

今日の稽古

自分には無理だ、と思ったとき、こう自分に言い聞かせる。
「自分には無限の能力があるのだ」と。

今日も私は、力を抜いて相手を導く稽古を続ける。

■ こちらの記事もあわせて読まれています

【同じ「信じる」を、時間の軸から】
いまできないのは、当たり前だという話です。
▶︎ 今できないのは当たり前。稲盛和夫と合気道に学ぶ「自分を信じる」稽古

【力を抜くと、どうなるか】
押し返さないことで、相手が変わっていきます。
▶︎ 論破するな、脱力せよ。デール・カーネギーと合気道に学ぶ「押し返さない」稽古

【比べる相手を間違えない】
達人ではなく、昨日の自分と比べる稽古です。
▶︎ 比べるのは、昨日の自分。稲盛和夫と合気道に学ぶ「可能性」の稽古

■ この記事を書くにあたって読み返した本

¥2,090 (2026/06/07 13:13時点 | Amazon調べ)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

合気道のまさ|合気道三段

人生のどん底から私を救ったのは、名著を「稽古」のように読み返す習慣と、合気道でした。

このブログでは、名著の知恵を合気道の身体感覚で読み解き、しなやかに生きる「型」をお届けします。

かつての私のようなあなたを、心から応援しています。

≫ 詳しいプロフィールを読む

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次