相手を伸ばそうとすると、言葉は前向きになる。中村天風『運命を拓く』

前向きな言葉を使う

部下や後輩に何かを教えるとき、できていないところから指摘してしまうことがあります。
その指摘の仕方が消極的な言葉であれば、相手のためのつもりでも、言われたほうは少しずつ自信や勇気が削られていきます。

中村天風氏は『運命を拓く』で、人の勇気を挫くような言葉を平気で口にするのは、悪魔の加勢をしているようなものだ、とまで書いています。

相手を傷つける言葉より、相手を前向きにする言葉、積極的な言葉を使う。
相手を伸ばそうとしていれば、言葉は自然に前向きになります。

合気道の道場で、それを見てきました。

目次

中村天風「人々の心に勇気を与える言葉」

相手を傷つける言葉を使わない

だからいやしくも人を傷つける言葉、勇気を挫くような言葉、あるいは人を失望させるような言葉、憎しみ、悲しみ、嫉(ねた)みの言葉を遠慮なくいっている人間は、悪魔の加勢をしているようなものだ!そういう人間は、哲学的にいえば、自他の運命を破壊していることを、平気でしゃべっている。だから何遍もいうように、人々の心に勇気を与える言葉、喜びを与える言葉、何とも言えず、人生を朗らかに感じるような言葉を、お互に話し合うようにしよう。
(中村天風『運命を拓く』より)

人を傷つける言葉は、言った本人の運命まで壊す。
天風氏はそう書いています。

道場には、前向きな言葉をかける人が多い

前向きな言葉をかけるビジネスパーソン

合気道をやっている人を見ていると、人に優しく、前向きな言葉をかける人が多いと感じます。

統計ではありません。体感です。
もともと心の優しい人が集まっているだけかもしれません。

それでも、稽古している人たちと話すと、相手のことを思って話す人が多い。
稽古のやり方にも、理由があると考えています。

合気道は、技を覚えるのが難しい武道です。

だから、謙虚に相手に教えを乞う。
高段者も、相手にわかりやすく教えるのが普通です。

教えるときは、相手の技量に合わせます。その人の理解度に応じて、伝え方を工夫する。
実際に上達できるように、心から相手を理解しようとする。

そうしているうちに、思いやる気持ちも、自然と育っていきます。

相手を伸ばそうとすると、言葉は前向きになる

人が伸びるには、否定的な言葉より、前向きな言葉のほうが効きます。

少しでもできたことを伝えて、自信を少しずつ積んでいく。
道場では、それが当たり前の接し方です。

前向きな言葉を使おう、と毎回意識しているわけではありません。
相手を伸ばそうとしているうちに、そういう言葉を選ぶのが習慣になっています。

道場には、そういうよい循環があります。
合気道で私が好きな雰囲気の一つです。

部下に伝えるときに気をつける二つのこと

相手を伸ばす言葉

職場での指導は言葉がきつくなりがちです。
部下や後輩に何かを伝えるとき、道場のやり方から二つの学びを活かせます。

一つ目は、相手の理解度に合わせて、伝え方を変えること。
同じことを言うにも、相手が受け取れる形があります。

二つ目は、できていないところより先に、少しでもできたところを伝えること。
そうやって自信を積んでいくと、相手は伸びていきます。

今日の稽古

今日の稽古

人に何かを伝えるとき、こう自分に問いかける。
「これは、相手が前向きになる言葉か」と。

今日も私は、相手を伸ばす言葉を選ぶ稽古を続ける。

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この記事を書いた人

合気道のまさ|合気道三段

人生のどん底から私を救ったのは、名著を「稽古」のように読み返す習慣と、合気道でした。

このブログでは、名著の知恵を合気道の身体感覚で読み解き、しなやかに生きる「型」をお届けします。

かつての私のようなあなたを、心から応援しています。

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