頑張っても、仕事が空回りする。中村天風『運命を拓く』

空回りして孤立する

頑張っているのに、周りがついてこない。
気がつくと、自分だけが動いている。
動けば動くほど、空回りしていく。

そのまま動く量を増やしても、空回りは止まりません。

中村天風氏は『運命を拓く』で、万物の根元である「ただひとつの気」が心に入って観念となり、観念が思考となり、思考が行動と言葉になって現れる、と言います。

空回りしているときは、ただやみくもに動くのではなく、相手と気が結べているかを確かめる。

合気道で「気の結び」を稽古してきた私の体験から書きます。

目次

中村天風「ただひとつの気」

人間は絶えず何事かを心で思っている。そしてその思考はどうして生まれるのか。
それは万物の根元である「ただひとつの気」が、人間の心の中に入って「観念」となり、その観念が「思考」となるのである。そしてその思考が、一方において行動となって現れ、一方において言葉となって現れる。
(中村天風『運命を拓く』より)

空回りしているとき、私たちはがむしゃらに行動してなんとか前に進めようとします。
けれど天風氏によれば、行動はその手前から出てきます。

気を疎かにすると、一人で動いているだけになる

一人で動くだけの男性

合気道では、相手と距離があるときから、すでに相手に合わせています。

接触していなくても、気の結びはできている。
ピンと張った糸のような状態を感じます。
だからこそ相手が攻撃する瞬間、それに合わせて、気を張ったまま崩すことができる。

見えないけれど、確かに感じる。
確かにある。

その根本の気を疎かにすると、相手との繋がりがなくなります。
いくら身体を動かしても相手を導けず、一人で動いているだけになる。

気を出して相手に合わせる。
そのことが、相手を崩す行動となって現れる。

言葉に出ていなくても、伝わってくる

言葉に出さずに同意していないことが伝わる

職場でも、同じことを感じます。

相手が何も言わなくても、心が通っていないときは分かります。
言葉にも態度にも、はっきりとは出ていない。
それでも伝わってくる。

トラブルが起きて、みんなに協力を頼んだことがあります。
ほとんどの人は、本心から引き受けてくれました。

一人だけ、違いました。

状況は分かっている。
断れないことも分かっている。
だから何も言わない。

でも、気持ちが同意していないのが伝わってきました。

理屈はもう分かっている人です。
だから、理屈を重ねても動けない。

必要かどうかより先に、気持ちの整理がいる。
そう感じたので、全体の話とは別に、その人と個別に、丁寧に話をしました。

気が結べていないまま押せば、仕事は進んでいるように見えても、本当は自分だけが動いています。

理屈は伝わっているのに動かない人がいたら、説明を加えるより先に、気持ちを整理できる時間と場をつくる。

今日の稽古

今日の稽古

空回りしていると感じたとき、こう自分に問いかける。
「相手と、気が結べているか」と。

今日も私は、気を出して相手に合わせる稽古を続ける。

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この記事を書いた人

合気道のまさ|合気道三段

人生のどん底から私を救ったのは、名著を「稽古」のように読み返す習慣と、合気道でした。

このブログでは、名著の知恵を合気道の身体感覚で読み解き、しなやかに生きる「型」をお届けします。

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