休職したことを、転職エージェントに伝えるべきか。
伝えて不利になるのも怖い。隠して後から発覚するのも怖い。
どちらに転んでも損をしそうで、決められないまま手が止まります。
私は30代のとき、転職して数ヶ月で休職しました。
その休職中に転職サイトに登録して、面談まで行っています。
そのとき私は、休職中であることを言いませんでした。
あれから約20年が経ち、いまは大手企業で管理職をしています。
いま同じ状況に戻ったら、私は伝えると思います。
考え方が立派になったからではありません。
当時は手に入れにくかった基準が、いまは確認できるからです。
JAC Recruitmentが公式に示している基準を引きます。
答えは一つではありません。いま休職中なのか、過去の話なのかでも変わります。
JACは「原則伝えるべき」と書いている

根拠は、道徳ではなく利用規約
JAC Recruitmentは、公式サイトでこう書いています。
転職エージェントには、休職していることや休職歴は原則伝えるべきです。
そして、その根拠として自社の利用規約を挙げています。
「履歴書、職務経歴書は休職期間・離職期間等も含め正確に作成いただくこと。」
——JAC Recruitment 利用規約 第10条
規約に書いてあるということは、伝えるかどうかは「マナー」の話ではないということです。
理由も3つ示されています。
- 休職中に転職エージェントを利用すること自体、問題になる行為ではない
- 応募書類への記載を求める転職エージェントが多い
- 隠しても転職先企業にいずれ知られる可能性が高く、内定取り消しにつながるリスクがある
「正直に話しましょう」という道徳の話ではなく、後で困るからやめておけ、という実務の話です。
ただし、「いま休職中」と「過去の休職」は別

過去の休職で、いま働けているなら、伝える必要はない
ここが、いちばんの分かれ道です。
同じ公式ページに、こう書かれています。
休職の事実に関しても、既に過去の事象になっており、現時点において問題なく業務に取り組めている場合は、あえて伝える必要はありません。
ただし、現在休職中の場合は、休職中の旨を伝えなかったことでトラブルを招くリスクがあります。(中略)転職エージェントに対しては休職中である旨を極力伝えることを推奨します。
整理すると、こうなります。
- いま休職中:極力伝えることを推奨
- 過去に休職し、いまは問題なく働けている:あえて伝える必要はない
「休職したことがある人は、全員必ず申告しなければならない」わけではありません。
そして、もう一つはっきり書かれていることがあります。
過去の休職理由を必ずしも細かく伝える必要はありません。また、理由の開示は、転職希望者の判断に委ねられます。転職エージェントから理由の供述を強要されることはないため(後略)
伝えるのは「休職期間があった」という事実であって、理由の中身ではありません。
言いたくないことは、言わなくていい。
それを、規約を定めている側が明記しています。
隠したときに、何が起きるか

発覚するのは、たいてい自分以外の経路から
JACは、隠した場合に休職が発覚する経路も具体的に挙げています。
- 源泉徴収票・住民税の納税額
- 傷病手当金
- 同僚への相談・SNS投稿
休職中は給与が発生しないことが多いため、源泉徴収票の金額が面接時の申告と合わない、住民税の額が年収に見合わないといったところから指摘されることがある、と書かれています。
つまり、隠し通せるかどうかは、自分の意志だけでは決まりません。
そして、こうも書かれています。
休職した事実や理由を応募書類に明記することで、書類選考が不利になる可能性も考えられます。
不利になる可能性は、否定されていません。
そのうえで、後から発覚して信用を失うリスクと天秤にかけている。
都合のいいことだけを書いていないからこそ、私はこのJACの見解を信用しています。
私は、言いませんでした

情報がなかったから、隠すしか選択肢がなかった
当時の私は、これを知りませんでした。
エージェントは応募先企業から報酬を得ている。だから伝えれば企業にも伝わるだろう。企業はメンタルの不調がある人を採りたがらないだろう。
そう直感して、黙りました。
構造の読み方としては、たぶん間違っていません。
ただ、判断材料がまったく足りていませんでした。
「過去の休職なら、あえて伝える必要はない」ことも、「理由を細かく話す義務はない」ことも、知らなかった。
知っていたら、選べたはずです。
そして当時は、調べる気力そのものが残っていませんでした。
判断力が底をついている時期に、人生の判断をしようとしていたのです。
いまなら、伝えると思います。
休職をクローズアップして語るのではなく、ただ経歴の一つとして置く。
後ろめたく思う必要はない。
そう思えるのは、いま情報を持っているからです。
最後に——決める前に、情報を持つ

伝えるか、伝えないか。
それを、気力の残っていない状態で決めようとするのが、いちばんつらいところです。
登録することと、打ち明けることは別の行為です。
登録した時点で、休職について話す義務が発生するわけではありません。
そしてJACは、こうも書いています。
- 応募先へ伝えるタイミングや範囲を相談できる
- 病気が理由の場合、エージェントから応募先企業へ無断で伝えることはない
- 転職活動を今開始すべきか、休養に専念すべきかも相談できる
「相談してから決める」という順番が取れる、ということです。
お伝えしておきたいことが、2つあります。
ひとつは、対象となる方のことです。
JACは、年収800〜2000万円のハイクラス転職に特化した転職エージェントです。
管理職や専門職が中心で、いまその年収帯にいる方、あるいは近い方に向いています。
そこから離れている場合、登録しても合う求人が出てこない可能性があります。
そしてもうひとつ。
いま動ける状態でないなら、無理に転職エージェントに相談する必要はありません。
私自身、あの時期に判断できる状態ではありませんでした。
休むことが先決の時期は、確かにあります。
ただ、少しでも気力があるなら、判断材料だけでも先に持っておく。
それがいまの安心にもつながります。
\ 判断材料だけでも先に持っておく /
■ 出典
JAC Recruitment「転職エージェントに休職を伝えるべき?休職理由の伝え方や伝えたらどうなるかを解説」 https://www.jac-recruitment.jp/market/knowhow/agent/agent-inform-break/
(公開 2024/08/15 / 最終更新 2026/04/22)
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