休職中に、転職のことを考えている。
でも、後ろめたい。
こんな状態で転職活動をしていいのか。
先に、答えを書きます。
一つ。罪悪感を持つ必要は、ありません。
二つ。ただし、いま決断してはいけません。
この2つは矛盾しません。
登録して外を見ることと、人生を決めることは、まったく別だからです。
私は31歳のとき、転職エージェントを使って転職しました。
そして数ヶ月で、休職しました。
その休職中に、また別の転職サイトに登録しています。
面談まで行きました。
でも、転職はしませんでした。
20年経ったいま、あのとき登録したこと自体は、正解だったと思っています。
今日は、その理由を書きます。
転職して数ヶ月で、私は休職した

過労死ラインの2.5倍。もう逃げるしかなかった
転職そのものは、うまくいっていました。
エージェントに登録して、面談をして、行きたかった会社に入れた。
そして、数ヶ月で壊れました。
理由ははっきりしています。
時間外労働が、月に200時間を超えていました。
いわゆる過労死ラインが月80時間だと知ったのは、ずっとあとです。
その2.5倍。
当時の私は、こう思っていました。
もう、逃げるしかない。
転職は、成功していたはずでした。
それでも壊れた。
「転職すればすべては解決する」という話では、ありませんでした。
休職中に、また転職サイトに登録した

それでも消えなかった、三つの後ろめたさ
休んでいる間に、私は転職サイトに登録しました。
そして、ずっと後ろめたかった。
転職してすぐ辞めるのは、抵抗が大きい。
すぐ逃げ出す、弱い人間だと思われそうだ。
「なぜそんなに早く辞めたいのか」と聞かれたら、何と答えればいいのか。
そして、いちばん奥にあった恐怖が、これでした。
「メンタルをやられました」と言ったら、もうどこも受からないのではないか。
いま休職中で転職を考えている方は、たぶん同じことで止まっていると思います。
面談で、休職中だとは言わなかった

隠すか言うかを考える余力が、残っていなかった
面談でどう答えたのか、正確にはもう覚えていません。
ただ、休職中だとは伝えていないはずです。
エージェントにさえ、この部分の弱みは見せてはいけないと思っていました。
転職理由を聞かれたときは、労働時間の話をしたのだと思います。
月200時間以上の時間外。それは事実でしたから。
あの対応が正しかったかどうかは、いまも分かりません。
隠したほうがよかったのか、正直に言ったほうがよかったのか。
私には、答えを出せません。
ただ、一つだけ分かることがあります。
「隠すべきか、言うべきか」を冷静に考えられるほどの余力が、当時の私には残っていませんでした。
判断力が底をついている時期に、人生の判断をしようとしていた。
それが、いちばん危なかったのだと思います。
それでも、決断はしなかった

どん底で決めてはいけないと、心の奥が感じていた
面談まで行って、結局、転職しませんでした。
明確な理由があったわけではありません。
ただ、なんとなくそう感じていました。
メンタルがどん底のときに、重大な決断をしてはいけない。
たぶん、本のどこかで読んだ一行だったのだと思います。
当時、かなりの数を読んでいました。
ただ読んだときは、何とも思わなかった一行です。
最近になって、これを調べてみました。
ある公立病院のページに、こう書かれていました。
うつ症状の強い間は、重大な決断をせず、先延ばしにすること。
——私が「なんとなく」で踏みとどまったことは、専門家が明確に勧めていることでした。
本の言葉は、澱のように溜まる

読んだときに響かなくても、必要なときに出てくる
私を止めたのは、いつ読んだかも覚えていない一行でした。
畑に種を蒔いて、耕しておく感覚に似ています。
読んだ瞬間には、何も起きない。
でも心の底に澱のように溜まっていて、本当に必要なときに、すっと出てくる。
「本が役に立つ」というのは、たぶんこういうことなのだと思います。
登録したこと自体は、正解だった

それは決断ではなく、受け身を取れるようにしておくこと
ここが、今日いちばん伝えたいことです。
登録することと、転職を決めることは、別です。
私は登録して、面談まで行って、決めませんでした。
それでいいんです。
合気道では、技より先に受け身を習います。
倒れ方から始まる。
受け身を知っていると、思い切って技をかけられます。
倒れても大丈夫だと、身体が知っているから。
選択肢を残しておくのは、これに近いと思っています。
転ぶ準備があるほうが、前に出られる。
「逃げ道を用意した」と思うから、後ろめたいのです。
「受け身を取れるようにした」と思えば、それは準備です。
罪悪感を持つ必要は、ありません。
決めなければいいだけです。
最後に——当時の自分に言いたいこと

決めなくていい。
調べるのは、いい。
登録するのも、いい。
決めるのだけ、あとにすればいい。
あのとき踏みとどまった自分に、それでよかったと言ってあげたいと思っています。
💬 「動いておきたい。でも決められない」という方へ
決めなくていいです。
登録して、話を聞くだけで構いません。私は休職中に登録して、面談まで行って、それでも転職しませんでした。そして20年後のいま、あのとき登録したこと自体は正解だったと思っています。
「ここ以外にも選択肢がある」と分かっているだけで、いまいる場所の見え方が変わります。
下記は管理・専門職、ミドル・ハイクラスを対象にしているエージェントです。
JACリクルートメント
急かされることはありません。![]()
※ いま働ける状態にないなら、ここではありません。
まず休むことが先です。復職の準備から始めたい方は、こちらを。
▶ 復職したくない、でも退職も怖い。「三つ目の選択肢」
■ あわせて読みたい
- 【休むこと自体に罪悪感があるとき】
復職したくないと思う自分を責めてしまう。その罪悪感の正体を書きました。
▶︎ 「復職したくない」は甘えじゃない - 【復職が近づいて怖いとき】
休職から復職までの2ヶ月に、実際に何が起きていたかの記録です。
▶︎ 「復職が怖い」——2ヶ月の記録 - 【辞めるべきか、続けるべきか迷うとき】
「きつい」のか「嫌い」なのか。この2つを見分ける方法を書いています。
▶︎ 中村天風の教えは役に立つのか - 【いつか動くときのために、いま調べておきたい】
いま動かなくていい。40代50代の選び方を先に調べておきました。
▶︎ 転職エージェントが怖い40代・50代へ。転職する気がない今こそ、調べておく
👇いま決めなくてもいい。登録しておくだけで選択肢が広がります。
無料転職支援、日本で20年の信頼と実績。
コメント