「復職したくない」は甘えじゃない。休職した大手企業管理職が書く、罪悪感の正体

復職したくないは甘えじゃない前向きな女性

「復職したくない。でも、これって甘えなんじゃないか」
「休んでいる自分は、職場に迷惑をかけている」

そう検索して、ここに辿り着いたあなたへ。

結論から言います。
甘えではありません。

そして——「甘えかどうか」を、あなた自身が判断するのは、そもそも無理です。
なぜなら、私もできなかったからです。

自分が限界だということに、最後まで気づいていませんでした。
気づいたのは家族で、判断したのは医師でした。

転職3ヶ月で心身を壊し、2ヶ月休職しました。
あのとき私を苦しめた「ずるい」「迷惑をかけている」という声の正体も、今なら少し分かります。

そしてこの記事の最後に、私が合気道の道場で気づいたことを書きます。
「壊れたという事実そのものが、あなたが甘えていなかった証拠だ」という話です。

今日は、その罪悪感の話を書きます。
正解を押しつけるためではなく、同じ場所にいた者の証言として。

目次

そもそも、自分では判断できません

診断書

私が休職に入った日のことを書きます。

異変に気づいたのは、家族でした。
私ではありません。

急いで病院へ行くと、医師はすぐに言いました。
「今すぐ休みなさい。診断書を出します」と。

そのとき、自分でも意外な感情が湧きました。
ホッとしたのです。

診断書という、動かしようのない権威が下りたことに。

同時に「そんなにひどいのか」と愕然としました。
「もう会社を辞めるしかないのか」と絶望もしました。

いろんな思いが渦巻いて、自分が何を考えているのかすら整理できない。
暗闇の中で糸がぐしゃぐしゃに絡まって、もう解けないような感覚でした。

そこに、診断書という大ナタが振るわれた。

なぜかそれが、わずかな光のように思えました。
救われた、と直感しました。

でも——そうなるまで、自分がそんな状態だとは気づいていませんでした。

苦しかった。
それは分かっていた。

でも、そこに出口(休むという選択)があるということを、知らなかった。

自分では、そのときには見えないものがあります。

だから、もしあなたが今「これは甘えだろうか」と一人で判定しようとしているなら、それは当時の私と同じことをしています。
その判定は、たぶん正しく下せません。

私は、家族と医師に決めてもらいました。
それでよかったと思っています。

「ずるい」と言っていたのは、誰か

ずるいと悩む

休職に入った日から、仕事が「触れてはいけないもの」になりました。

少しでも仕事のことに触れると、吐き気がする。
本当に、身体がそう反応するのです。

だから、緻密な引き継ぎも、日々の業務の確認も、その日から何ひとつできませんでした。

これは意志の問題ではありません。

やる気がなかったのでも、無責任だったのでもない。
身体が受けつけなかったのです。

そして、離れれば離れるほど、ふと仕事がよぎったときの恐怖が大きくなっていきました。

あれはどうなったんだろう。
誰かがやってくれているのか。

考えてはいけないと分かっているのに、気になる。
放り出しているような罪悪感が、また自分を苦しめる。

そのとき、頭の中でこんな声が鳴っていました。

「何で私がその仕事をしなきゃいけないんだ」
「ずるい」
「投げ出すなよ」
「いいよな、投げ出せる人は」
「私だって忙しいんだ」

責められている気がして、たまりませんでした。

でも——誰ひとり、私にそんなことを直接言ってきていません。
ひとりも、です。

あれは全部、私の頭の中で鳴っていた声でした。
マイナスの観念が、心を完全に支配していたのです。

もしあなたが今「ずるいと思われている」と怯えているなら、確かめてほしいことがあります。

それは、誰かに実際に言われた言葉ですか。
それとも、あなたが自分に言っている言葉でしょうか。

🆘 もし今、つらさが限界に近いと感じているなら
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話すだけで、少し楽になれる場所があります。

感謝が、謝罪に変わる

感謝が謝罪に変わる

とはいえ、これだけは事実です。
私が抜けた穴は、同僚が埋めました。

当時は、それすら知りませんでした。
あとから知りました。

誰かに相当の負荷をかけたのだろうと思います。
「迷惑をかけていなかった」とは、言えません。

ただ、いちばん苦しかったのは、迷惑をかけたこと自体ではありませんでした。
助言も、感謝も、何ひとつ伝えられないことでした。

「ここはこうなっています」と引き継ぐこともできない。
「ありがとう」と言うこともできない。

声が届かない場所にいるという感覚。
それが、ずっと苦しかった。

そして復職してからも、結局その同僚には伝えられませんでした。
職場を少しずらしてもらっていたので、すぐには会えなかった。

そして何より——もうあの過去には触れてはいけない、という空気がありました。
お互いに。

代わりに、私は謝り続けました。
会う人、会う人に「すみませんでした」と。

休みをもらってすみません。
復職させてもらってすみません。

罪悪感は、感謝を謝罪に変えてしまう。
言いたかったのは、ありがとうだったのに。

あのとき黙って穴を埋めてくれた同僚に、私はまだ何も返せていません。
せめて次に職場の誰かが倒れたときは、今度は私が黙って穴を埋める側でいたい。

今はそう思っています。

力を抜くことと、手を抜くことは、違う

手を抜くではなく気を合わせて抜く

ここからは、合気道の道場で教わったことです。

合気道では「力を抜け」と、繰り返し言われます。
でも「力を抜く」のは、「手を抜く」こととはまったく違います。

力を抜けるのは、相手と気が合っているからです。
丹田と丹田が合っている。

だからこそ、ふっと力を抜いた瞬間に相手が崩れる。
繋がっているから、抜ける。

一方、手を抜くというのは、気が出ていない状態です。
相手と繋がっていない。

手を抜く。
それはただの怠慢で、稽古をする資格すらありません。

——ここまで書いて、気づいたことがあります。

手を抜いていた人は、壊れません。

月200時間の残業で心身を壊すのは、気を込め続けた人だけではないか。

怠慢な人は、そこまで行きません。
行く前に、手を抜きます。

つまり。
あなたが壊れたという事実そのものが、あなたが甘えていなかった証拠です。

そして、休職とは「手を抜く」ことではありませんでした。
力を抜くことです。

壊れる前に力を抜くのは、怠慢ではなく、技術です。

責めない場所が、この世にはある

責めない場所がある笑顔の女性

もうひとつ、道場で知ったことがあります。

合気道は、武道の中でも極めて難しい。
何年やっても、できないことだらけです。

だからでしょうか。
できないことを、誰も責めません。

難しいということを、その場にいる全員が知っているからです。
派手さのない地道な稽古を、丁寧に積み重ねていく。

その先にしか身につかないと、みんな分かっている。
だから、できない人を笑わない。

私はこの道場の空気に、ずいぶん救われてきました。

世の中には、できないことを責めない場所があります。
あなたが今いる場所が、そうでないだけかもしれません。

いま、動けないあなたへ

動けない悩む男性

ここまで読んで、それでも「やっぱり自分は甘えている」と思うなら——それでいいです。
無理に納得しなくて構いません。

私も、当時すぐに納得できたとは思えません。

動けない時期は、動かないのが正解です。
私も2ヶ月、ほとんど何もできませんでした。

何もしないことのつらさも、よく知っています。
それでも、時間が過ぎるのを待つしかない期間は、確かにあります。

そしてもし——少し外に出られるようになって、「このまま同じ職場に戻るしかないのか」と行き詰まったら。
選択肢は、ひとつではありません。

「就労移行支援」という福祉サービスがあります。
事業所によっては、休職中の人が復職に向けたリワークとして利用でき、生活リズムを整えたり、同じような経験をした人と過ごしたりできます。

当時の私は、この存在を知りませんでした。

同じ会社に戻るしか道がないと思い込んで、その恐怖にずっと囚われていました。
知っていたら、あの2ヶ月はもう少し楽になれたのに、と思います。

先に、正直な条件をお伝えします。

  • 通所型なので、通える範囲に事業所があることが前提です(atGPジョブトレは秋葉原・横浜・名古屋・梅田)。
  • 利用には主治医との相談が必要です。
  • 私自身は利用していませんので、体験談としては語れません。

そのうえで、当てはまる方へ。

見学と相談は無料で、その場で何かを決める必要もありません。
外の選択肢を知るだけでも、心は軽くなります。

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💬 「費用は?」「休職中でも本当に使えるの?」と思った方へ
リワークとの違い、費用の3段階、必要な手続きまで、別の記事に整理しました。
復職したくない、でも退職も怖い。休職中に知ってほしい「三つ目の選択肢」

最後に

甘えではなく笑顔で生きる女性

私の休職から復職までの記録は、別の記事に書きました。
復職前に何が怖かったか、戻ってから何を感じたかまで、脚色せずに残しています。

「復職が怖い」——休職した大手企業管理職の、2ヶ月の記録

あなたが甘えているかどうかは、本当のところは私には分からないのかもしれません。
ただ、ひとつだけ言えることがあります。

甘えているかどうかを、これほど真剣に悩む人が、甘えているところを、私は見たことがありません。

🆘 ひとりで抱えきれなくなったら
この記事を読んでも苦しさが消えないときは、どうか誰かの声を頼ってください。

あなたが今日を生きていること。
それだけで、十分です。

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この記事を書いた人

合気道のまさ|合気道三段

人生のどん底から私を救ったのは、名著を「稽古」のように読み返す習慣と、合気道でした。

このブログでは、名著の知恵を合気道の身体感覚で読み解き、しなやかに生きる「型」をお届けします。

かつての私のようなあなたを、心から応援しています。

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