転職エージェントに登録するのが、怖い。
40代、50代でそう感じているなら、その感覚は正しいです。20代のころとは、まったく違う種類の怖さがそこにあります。
ただ、その怖さは分解できます。
私が自分の中を覗いて出てきたものは、7つありました。そして分けてみて分かったのは、そのうち6つは、転職エージェントとはまったく関係のない怖さだったということです。関係があったのは、たった1つでした。
私は50代前半です。大手企業に20年以上勤めて、いまも働いています。管理職ですが、課長や部長という肩書はありません。20年以上前には、休職もしました。そして、いま転職する気はありません。
それでも、この記事を書いています。
転職したくなってから探すと、必ず焦ります。焦った状態で選ぶと、年収等の条件を落とします。
先に調べて、一社だけでも決めておく。そして忘れる。「本気で動きたくなったら、ここに登録すればいい」——その一社があるだけで、明日からの職場での立ち方が変わります。
読み終わるころには、その一社が決まっているはずです。
転職エージェントが怖い。その正体は、7つに分けられます

怖いのはエージェントではなく、値踏みされることでした
自分の中から出てきた本音を、そのまま並べます。
- 年収が下がるのではないか
- アピールできる実績が、自分にはないのではないか
- 評価されていないのは能力が低いからだと思われそう
- 派手な実績が、何ひとつ思いつかない
- いまの息苦しさから、本当に解放されるのか
- 新しいことを、この歳から覚えられるのか
- 転職した先で、活躍できるのか
並べてみて、はっきりしたことがあります。
7つのうち6つは、どのエージェントを選んでも解決しません。
どこに登録しても、実績への不安は消えません。能力をどう見られるかも変わりません。新しい環境でやれるかどうかも、分かりません。
この6つは、エージェントの問題ではなく「自分が自分をどう見ているか」という問題です。
エージェント選びで結果が変わるのは、1つだけ。「① 年収が下がるのではないか」です。ここだけは、選ぶ場所によってはっきり違いが出ます。
つまり、性質のまったく違う2種類の不安をひとまとめにして「転職エージェントが怖い」と感じているわけです。
分ける必要があります。自己評価の問題は自己評価として、選び方の問題は選び方として扱う。混ぜたままでは、どちらも解けません。
この記事は、その順番で進みます。
怖さの根っこにあるのは、「役職がないこと」ではないでしょうか

大手企業で課長になれるかどうかは、実力だけでは決まりません
外から見ると、こう見えるはずです。
「40代50代なら、課長か部長を経験していて当たり前だろう」と。役職がないのは、ステップアップできなかった証拠ではないか。何か問題があったのではないか。
そう思われるくらいなら登録しないほうがいい。そう考えて止まっている人は、少なくないはずです。私もその一人でした。
でも、大きな組織に長くいた人なら知っているはずです。
課長になるのすら、簡単ではありません。
周りを見渡せば、ほとんど全員が優秀です。そのなかで、椅子の数は決まっている。誰の下についたか。どの部署に配属されたか。そのとき、たまたま欠員があったかどうか。実力が横並びなら、そこから先を決めるのはタイミングと運です。
これは言い訳ではありません。人数の多い組織では、避けようのない仕組みです。
苦しいのは、転職市場では「役職」が実力の証明として扱われることです。
社内では誰もが知っている運とタイミングの話が、外に出た瞬間に見えなくなる。そして、就けなかった側の問題として片づけられる。構造の結果が、個人の責任にすり替わります。
あなたが実力不足なのではありません。実力の見え方が、会社の中と外で違うだけです。
ただ、ここで話を終わらせても、何も変わりません。
「構造のせいだ」と分かったところで、職務経歴書は一行も埋まらないからです。
だから、ここからが本題です。
派手な実績がないのではなく、翻訳の仕方を習っていないだけ

市場が見ているのは「役職」ではなく「何を動かしたか」です
先に、いちばん大事なことを書きます。
採用する側が本当に知りたいのは、あなたが何と呼ばれていたかではありません。あなたが来ることで、何が変わるかです。
役職は、その手がかりのひとつにすぎません。手がかりが他にあれば、そちらで判断されます。問題は、その手がかりを、私たちが自分で用意したことがないことです。
私自身の例で書きます。
ひとつめ。
私は管理職になってから、どんなときも怒らないと決めて過ごしてきました。理不尽なことがあっても、部下がミスをしても、声を荒らげない。
これは性格ではなく、訓練です。
合気道を15年以上やってきて、身体で覚えたことがあります。力でぶつかると、必ず反発される。強く押せば押すほど、相手の力が強く返ってくる。だから逆らわずに、方向だけを変える。
その訓練を繰り返した人間には、職場で怒りをぶつけることが、間違った選択に見えるようになります。怒らないのは我慢ではなく、そのほうがスムーズに仕事が進むからです。
社内では「温厚な人」です。外向きに翻訳するとこうなります。
「感情的な反応を排して、部下が萎縮せずに働きやすい場を醸成できる管理職」
いま採用側が最も欲しがっている資質のひとつです。
ふたつめ。
仕事に不安を感じて動けなくなっていた部下がいました。私はその人に、「ここまでできたら教えて」と伝えました。全部を任せず、ゴールを手前に置いた。
その部下は、そこから生き生きと動くようになりました。
社内では「面倒見がいい人」です。外向きには「難易度を分解して、部下が自力で進める設計をつくった育成の実例」です。
みっつめ。
朝礼を使って、全員に同じ情報が届く仕組みを作りました。誰が休んでも、情報が欠けない形にした。
社内では「几帳面な人」です。外向きには、「情報伝達の設計と、属人化の解消」です。
言いたいのは、大げさに盛れということではありません。
事実は何ひとつ変えていません。変えたのは、社内の評価軸で語るか、市場の評価軸で語るかだけです。
私たちは、社内の言葉しか習っていません。長年、その言葉だけで暮らしてきたのだから、当然です。だから「自分には派手な実績がない」と感じます。
では、自分の場合はどう探すのか。
最初から思い出す必要はありません。まずはこの3つだけで十分です。
- 人に頼まれてきたこと
「これ、あなたに聞けば分かるよね」と言われてきたことは何ですか。あなたの中では当たり前でも、周りにとっては当たり前ではありません。 - あなたが休んでも、仕事が回るようにしたこと
それが、あなたが作ってきた仕組みです。仕組みを作った経験は、役職がなくても書けます。 - あなたが関わったあとで、変わった人
育成の実績は、肩書ではなくその一場面に宿ります。
この3つが出てくれば、職務経歴書に書けるものは必ずあります。
そして、ここが重要です。
この翻訳作業は、一人でやると行き詰まります。
自分の当たり前は、自分には見えないからです。長く同じ会社にいると、当たり前になって見えなくなってきます。だから、外の人に見てもらう必要があります。
これが、転職エージェントに登録する本当の理由だと私は思っています。求人をもらうためだけではなく、自分の強みを外の言葉に直してもらうためです。
残った1つ。年収が下がる怖さは、選び方で解決できます

40代50代の成功は「決まること」ではなく「下げずに決めること」
ここから、選び方の話です。
20代の転職と、40代50代の転職では、成功の定義が違います。
20代は「決まること」が成功です。経験を積める場所に移れれば、年収は後からついてきます。
40代50代は違います。住宅ローンがあり、子どもの学費があり、親のこともある。年収が下がった時点で、その転職は失敗になりかねません。
つまり条件は「決まればいい」ではなく、「下げずに決める」です。
ここが、選ぶ場所を分けます。
求人数の多さで選ぶと、選択肢は増えます。でも選択肢が増えるということは、条件を落とした求人にも触れ続けるということです。早く決めたいと焦るほど、「まあ、ここでもいいか」と流されやすくなります。
これは意志の弱さではありません。選択肢の並べ方が、間違っているだけです。だから、安易に傾かない場所(エージェント)を選ぶことが大切です。
答えは、年収帯を最初から絞っているエージェントを選ぶこと

ハイクラス特化を選ぶのは、防御のため
「ハイクラス」と聞くと、自分には縁がないと感じる人が多いはずです。でもそうではありません。
ハイクラス特化を選ぶのは、上を目指すためではありません。下に流されないためです。
年収帯を最初から絞っている会社なら、条件を落とした求人がそもそも出てきません。「下げずに決める」という条件を、意志ではなく仕組みで守れます。
調べたなかで、40代50代の条件に合っていたのが JAC Recruitment でした。
JAC Recruitment| 条件 | 内容 | 40代50代にとっての意味 |
|---|---|---|
| 年齢 | 公式に「年齢に関わらずご登録は頂けます」と明記 | 年齢で門前払いされる心配をしなくていい |
| 年収帯 | 500万〜2,000万円以上の求人 | 条件を落とした求人が最初から並ばない |
| 体制 | 業界・職種ごとの専門コンサルタントが連携する両面型 | 職種を分かっている人が、経歴を読んでくれる |
| 得意分野 | 管理部門、営業、経理・財務、法務、人事、社内SE、DX推進など | 専門性で評価される。役職ラダーだけで見られない |
| 規模 | 国内13拠点・海外11ヵ国/創業50年以上 | 地方在住でも、相談先がある |
私が決め手にしたのは、年齢制限がないことと、職種ごとに専門のコンサルタントがつくことの2つです。
40代50代の職務経歴書は、汎用のエージェントには読み解きにくいはずです。長年の仕事の中身は、その職種を知らない人には「ただ長く勤めた人」としか見えません。職種を深く知っている人に会うほうが、翻訳してもらえる可能性が高い。
念のため書いておきます。リクルートエージェントやdodaが劣るという話ではありません。役割が違います。求人の網羅性なら、あちらが上です。両方に登録して使い分けている人も多いはずです。
ただ、「年収を下げたくない」が最優先条件なら、絞ってあるほうを軸にする。それが私の出した結論です。
休職したことがある人へ

全部話すか隠すかの、二択ではありませんでした
※休職の経験がない方は、この章は飛ばしてかまいません。
ここは、私自身が長く抱えてきたことなので書きます。
私は20年以上前に休職をしました。そのとき転職エージェントに登録して、面談まで行きました。そして、休職していることを言いませんでした。
言えなかった理由は、はっきりしています。記録に残るのが怖かったからです。
相手は医者ではありません。ビジネスとして人材を扱う会社です。一度伝えたら、なかったことにはできません。
結局、そのときの私は転職しませんでした。いま調べてみて、当時の自分が極端な二択で考えていたことに気づきました。「全部話す」か「隠す」か。その二つしかないと思い込んでいた。
JACの公式ページには、次のように書かれています。概略はこうです。
休職していること、休職歴は原則として伝えるべき
(応募書類に休職期間を正確に記載する規約があること、源泉徴収票などから発覚すること、後で分かると内定が取り消される可能性があるため)ただし、「必ずしも細かく伝える必要はない」
(病気であれば、現在の状態と、業務で支障になりそうなことを共有すれば足りる)
三つ目があったんです。
事実だけを伝えて、中身までは話さない。これなら、当時の私にもできたかもしれません。
そして、いままさに休職中の人がこれを読んでいるなら、伝えたいことがあります。
休職しているときほど、転職への気持ちがもっとも強くなる時期だと思います。
職場から離れて、初めて自分の消耗が見える。戻ることを考えると、また息が詰まる。
その状態のときに、選択肢があると知っているかどうかは、決定的に違います。
いま人生の決断まではしなくていい。登録だけしておく。気持ちの整理がついたときに事実だけを話せばいい。
「行き先の候補がある」という事実だけで、休んでいる時間の重さは確実に変わります。
怖さの正体が分かれば、動けます

動く準備をすることと、動くことは、別
最後に、回収していない怖さが2つ残っています。「⑥ 新しいことを、この歳から覚えられるのか」、「⑦ 転職した先で、活躍できるのか」
これは正直、分かりません。やってみないと分からない。私にも分かりませんし、誰にも分かりません。
でも、それは今日決めなくていいことです。
今日決めるのは、転職するかどうかではありません。「本気で動きたくなったときに、どのエージェントを選ぶか」を決めておくだけです。
もう一度書きます。私はいま、転職する気がありません。
それでも、調べてよかったと思っています。選択肢を一つ、持てたからです。
本気で転職したくなったときにゼロから探し始めると、必ず焦ります。焦って選んだ転職は、条件を落としやすいです。いまのうちに一社決めておく。そして、安心して忘れる。
これが、40代50代にとっていちばん現実的な備え方だと思います。
転職しないなら、それでいい。ただ「いつでも動ける」と知っている人と、知らない人とでは、明日の職場での立ち方が変わります。
調べた結果、私が登録するなら JAC Recruitment だと決めました。
JAC Recruitment最後に—— 転職活動をしようとした場合、役職がないことが懸念になるのではないかと感じてきました。でも書きながら気づいたのは、懸念の正体が「実力の見え方の違い」でしかないということです。
長年培った仕事の中身は、私の中に確かにあります。翻訳していないだけです。
ただ、それを外の言葉に直す作業は、なかなか一人ではできません。
だからいつか、私も転職したくなったとき、JACのエージェントに会いに行くと思います。
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