「もっとあれがあればいいのに」
「なぜ自分だけがこんな目にあうのか」
私たちは日々を忙しく生きる中で、つい自分に「足りないもの」ばかりに目を向け、不満を抱えがちです。
しかし、立ち止まって足元を見つめ直した時、私たちが「今、ここにあること」自体が、どれほど奇跡的なことなのでしょうか。
ただありがたく、感謝する
中村天風氏は、著書『運命を拓く』の中で、人生の土台となる最もシンプルで強力な心のあり方について、力強く語っています。
生きていることを、ただありがたく感謝しなさい!
(中村天風『運命を拓く』より)
条件付きの感謝ではありません。
「成功したから」「良いことがあったから」感謝するのではなく、ただ「生きていること」そのものに感謝する。
不平不満を手放し、命があるという最大の奇跡にただありがたく感謝した時、人生を拓く本当のエネルギーが湧き上がってくるのだと天風氏は説きます。
先人が遺した「道」を歩める無上の喜び
合気道の道場に立って稽古する時、私はこの「ただ感謝する」という天風氏の言葉を、文字通り全身で実感します。
合気道という素晴らしい武道に出会い、今日も無事に稽古ができること。
これ以上の喜びはありません。
一つ一つの型稽古を繰り返すたびに、深く痛感することがあります。
それは、この精緻で奥深い理合いは、決して自分一人では思いつきも、体系化もできなかっただろうということです。
剣術・柔術の理合いを発見し、命懸けで磨き上げてくれた先人たち。
その身体操作を心技体の一致へと昇華させ、「人格を高める道」として体系化してくれた開祖。
そして、道を求める日本人の素養を、脈々と受け継いでくれた祖先たち。
その途方もない歴史の連なりと恩恵の上に、今の私たちの稽古があります。
私たちは一人一人が、奇跡である
自分という存在がこの世に生まれ、先人たちの遺してくれた叡智に触れ、共に高め合う仲間と稽古ができている。
振り返れば、すべてが偶然の重なりであり、私たちは一人一人が「奇跡」そのものです。
足りないものなど、何一つないのではないか。
私たちの周囲は、すでに感謝すべきことで溢れかえっているのです。
そのことに深く気づいた時、焦燥感や不満は消え去り、ただ静かで温かい感謝の念だけが心を満たしてくれます。
今日の稽古
当たり前の日常に埋もれ、不平不満に心を奪われていないか。
私たちが生かされていること自体が、途方もない奇跡の連続である。
自分に足りないものばかりを探してしまいそうになる時、自分にこう語りかける。
「生きていることを、ただありがたく感謝しよう」と。
先人が遺してくれた道と、今ここにある奇跡に気づく。
今日も私は、満ち足りた心で「ただ感謝する」稽古を実践する。
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■ この記事を書くにあたって読み返した本
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価格:770円 |


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