「こんなの、無理だ」
「自分にはできないかもしれない」
仕事や日常のふとした瞬間、そんな言葉を心の中でつぶやいていないでしょうか。
そして不思議なことに、そう思った瞬間から、本当に物事は悪い方へと転がり落ちていく。
この負のループを抜け出す方法は、ひとつです。
自分に投げかける「日々の言葉」を、意識して選び直すこと。
なぜなら、私たちが発する一言一語は、ただの音ではなく、無意識のうちに人生を方向づける強力な「暗示」として機能しているからです。
内なる言葉を見直したとき、心身から余計な力みが抜け、困難な場面でも軽やかに結果を出せるようになります。
今日はそんな、「言葉」の稽古の話です。
言葉は、人生を創る
多くの政財界人が師と仰いだ哲人・中村天風氏は、著書『運命を拓く』の中で、私たちが日々使う「言葉」の恐るべき力を繰り返し説いています。
その一言一語、その言葉のすべてが、人生に直接的に影響する暗示となる、という大事な宇宙真理を忘れないこと
(中村天風『運命を拓く』より)
私たちは普段、何気なく言葉を発します。
「疲れた」「最悪だ」「どうせダメだろう」。
しかし天風氏は、それらの言葉こそが潜在意識へ深く刻まれ、やがてその通りの現実を引き寄せてしまうと警告します。
言葉は、思考の器です。
発する言葉が弱気であれば、心や身体もそちらへ引っ張られ、本来持っている力さえ出せなくなる。逆もまた、真なのです。
「できない」と思った瞬間、技は消える
この「言葉と意識が現実を創る」という真理を、私は合気道の道場で痛感します。
合気道は、ただ腕を動かし、足を踏み出すだけの運動ではありません。
その一つの動き、一つの捌き、その呼吸、その意識。
そのすべてが合気道です。
一つひとつに意味があり、それがバラバラではなく、ひとつに繋がって初めて「技」になります。
たとえば、諸手取り(両手でがっちりと片腕を掴まれる技)で対峙した時。
「相手の力が強い、崩せないかもしれない」という迷いがよぎった途端、身体は居着き、掴まれた腕が重くなり、全く動かなくなります。
心が発した「できない」という暗示が、一瞬で筋肉を硬直させてしまうのです。
力まず、ただ心身を統一する
では、どうすれば相手と調和し、技が生まれるのか。
自分にかける言葉、確かな意志、そして自信。
それらを総合して、心身をひとつに統一する。
ここで肝心なのは、「相手を倒してやろう」「技をかけてやろう」という欲すら手放すこと。
「どうにかしてやろう」という気負いは、それ自体が余計な力みを生みます。
力まず、ただ自分の中心(丹田)を保ち、相手と気を合わせる。
技ができることを疑いすらしない、絶対的な自信がある。
そうして心身が統一された状態で、相手とぶつからず、結びを維持したまま導くことで、一つの技となる。
これは、仕事や人生の困難に向き合うときと同じです。
不安や焦りの言葉を吐くのではなく、自分を信じる静かな言葉で心を満たし、ただ目の前の一事に最善を尽くす。
その心身の一致した状態が、道を拓く鍵なのです。
今日の稽古
「疲れた」「無理だ」と、自分を弱くする暗示を無意識にかけていないか。
「どうにかしてやろう」と、力みを生む言葉で気負っていないか。
そんな消極的な言葉を吐きそうな時、自分にこう語りかける
「言葉は人生を創る暗示である」と。
今日も私は、前向きで静かな言葉を選ぶ稽古を実践する。
💡 自分の「内なる言葉」が、マイナスに傾いている方へ
もし今、「このままでいいのか」「自分には何もないのでは」という否定的な自己暗示のループから抜け出せないなら、ひとりで抱え込まず、第三者との対話で言葉を整理するのも一つの手です。
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