途切れない「気」が次につながる。中村天風と合気道に学ぶ、エネルギーを枯らさない稽古

「大きなプレゼンが終わった途端、半日何も手につかなくなった」
「『今日は頑張るぞ』と気合いを入れた日ほど、翌日の反動がひどい」……。

私たちはつい、目の前のひとつの課題に対して「ここぞ」と力を振り絞り、終わった瞬間にプツンとスイッチが切れてしまいがちです。
しかし、その「ゼロか百か」のエネルギーの使い方が、心身を激しく消耗させ、翌日の一歩を重くしている原因なのです。

今日は、中村天風氏が説く「常に積極であること」と、合気道で稽古する「気を切らさずつなぐ感覚」を通して、エネルギーを枯らさず、流れるように物事を進めていく心の使い方についてお話しします。

目次

中村天風が説く「自分は力だ」という自覚

中村天風氏は、著書『運命を拓く』の中で、「元気」の大切さについてこう語っています。

とにかく、元気はつらつたる状態で活きることこそ、最も必要かつ大事なのであるから、心の置きどころを常に積極的にするために、「自分は力だ」ということを、断じて忘れてはならない。
(中村天風『運命を拓く』より)

ここで天風氏が強調しているのは、一時的に頑張ることではなく、常に元気はつらつとした状態を保つこと。

心のスイッチを頻繁にオンオフするのではなく、アイドリング状態でも常に「積極の気」を静かに出し続けておく。自分自身の内側に無尽蔵の力があることを忘れず、その力を途切れさせずに外へ向けて発揮し続ける。

これこそが、いつも元気でいるためのベースとなるのです。

「技の終わり」は「次の始まり」

この「常に気を出し続ける」という感覚は、合気道の稽古において非常に重要になります。

合気道では、相手に技をかけて投げた後、「終わった」とホッとして気を抜いてはいけません。一本一本の技ごとに気を切らすのではなく、自分の中から外へ向かって、ずっと気を出し続けるのです。

たとえば、相手を投げて倒した後も、構えを崩さず、気をスッと相手とつないだままにしておく。すると、相手が起き上がって次の攻撃を仕掛けてきた瞬間、すでにこちらの気が出ているため、全く力むことなく、流れるように次の技へと移行できるのです。

逆に、投げて安心し「気を切らして」しまうと、次に相手が向かってきた時に、慌ててゼロからエンジンをかけ直さなければなりません。そこには「遅れ」と「力み」が生じ、技のつながりが失われてしまいます。

「気を切らさない」は、力み続けることではない

ここで誤解してはいけないのは、「気を出し続ける」と「力み続ける」はまったく違う、ということです。

力んで気を張り詰め続ける人は、一見頑張っているように見えますが、すぐに息切れしてしまいます。気を完全に切って、必要な時だけゼロから立ち上げる人は、常に初動の「遅れ」が付きまといます。
一方、一流の人は肩の力は抜きながらも、内側の「積極の気」だけは静かに出し続けている人なのです。

力を抜いて、気を出す。
この矛盾するように見える二つを両立できた時、人は驚くほど疲れず、スムーズに動けるようになります。

気を切らさなければ、人生は流れるように進む

仕事や日常も、これと同じです。

ひとつのタスクやプロジェクトが終わった瞬間に完全に気を切らしてしまうと、次の仕事に向かう時にかなりの初動エネルギーが必要になります。

物事が終わっても、心の「積極の気」は切らさない。
肩の力は抜きながらも、内側からのエネルギーはずっと出し続けておく。そうやって世界と静かにつながり続けていれば、次にどんな課題がやってきても、慌てることなく自然にさばくことができます。

自分は力である。その力を信じて気を出し続けることこそが、次々とやってくる人生の困難を、積極的な態度で乗り越えていく秘訣なのです。

今日の稽古

ひとつの仕事や用事が終わった時、自分に語りかける。
「私はいつも元気だ。常に積極の気を出し続けよう」

ゼロから力んで立ち上がるのではなく、気を切らさずに流れるように次へ向かう。
今日も私は、常にエネルギーが溢れる「気を出す」稽古を実践していく。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

こんにちは。
合気道のまさです。

「本を読むだけで人生は変わる!」をモットーに名著を紹介しています。

私自身、稲盛和夫さんや中村天風さんなどの本を「稽古」のように繰り返し読んだことで、その思想や哲学を、頭だけでなく無意識のレベルで身につけることができました。

このブログでは、名著のエッセンスを、合気道の身体感覚を交えながらわかりやすく解説しています。

私と一緒に、人生を切り拓く稽古を始めませんか。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次