仕事を好きになる。稲盛和夫と合気道に学ぶ「自ら燃える」稽古

「毎日、重い足取りで仕事に向かっている」
「やらされている感覚ばかりで、心が枯れそうになってしまう」

もし今、あなたがそんな息苦しさの中で生きているとしたら、それは日々の仕事に対する「やらされ感」に心が疲れてしまっているからかもしれません。
モチベーションに頼るのではなく、自ら内なる炎を燃やして、生き生きと仕事を楽しむためには一体どうすればよいのでしょうか。

今回は、稲盛和夫氏が説く「自ら燃える」ためのアプローチと、合気道に夢中になる中で見えてきた「継続の正体」についてお話しします。

目次

「好きな仕事を探す」のを、やめてみる

京セラを創業し、数々の偉業を成し遂げた稲盛和夫氏は、著書『京セラフィロソフィ』の中で、人生と仕事で素晴らしい成果を上げるための究極の鍵を次のように説いています。

自分が燃える一番よい方法は、仕事を好きになることです。どんな仕事であっても、それに全力を打ち込んでやり遂げれば、大きな達成感と自信が生まれ、また次の目標へ挑戦する意欲が生まれてきます。その繰り返しの中で、さらに仕事は好きになります。そうなればどんな努力も苦にならなくなり、すばらしい成果を上げることができるのです。
(稲盛和夫『京セラフィロソフィ』より)

私たちはつい「どこかに自分の好きな仕事があるはずだ」と理想を追い求めてしまいがちです。
しかし稲盛氏は、順番が逆だと言います。

「好きな仕事を探す」のではなく、「今の仕事に全力を打ち込み、好きになる努力をする」。
目の前の仕事に全力を注ぐことで小さな達成感と自信が生まれ、その自信がさらに仕事を楽しくさせていく。

この「正のスパイラル」に入ったとき、人は誰に言われずとも自ら燃え続ける「自燃性」の人になれるのです。

「好き」だから、できない自分も受け入れられる

この「自ら燃える」という感覚の本質を、私は合気道の稽古を通じて、身をもって体感しています。

合気道の技術というものは、決して一朝一夕で急激に上達するものではありません。
むしろ、前回までできていたはずの体の捌きが急にできなくなったり、自分の未熟さや無力さを痛烈に感じたりすることの連続です。

普通に考えれば心が折れてしまいそうな瞬間ですが、それでも私は合気道が楽しくて仕方がありません。
なぜなら、合気道が「好き」だからです。

好きだからこそ、稽古のきつさや、思い通りにいかないもどかしさがあったとしても、「楽しい」という気持ちが断然それを上回ります。
好きという感情さえあれば、壁にぶつかる苦労すらも、成長のプロセスという「楽しみの一部」に変わってしまうのです。

苦労を苦労とも思わず、ただ夢中で稽古を続けてきた結果、気づけば私は黒帯を締め、遥かな高みへと歩みを進めていました。

「好き」という純粋な感情は、成長が止まったように思える停滞期という暗闇の中で、前を向いて歩き続けるための最も確かな灯火(ともしび)となるのです。

人生そのものを「楽しい稽古」に変える無敵の状態

合気道という、心から好きだと言えるものと出会ったことで、私の日常の景色はガラリと変わりました。

たとえビジネスの現場でどんなに困難な課題やトラブルに直面しても、「これは合気道のあの稽古と同じだ」と捉えることができるようになったのです。人生のすべての出来事を、合気道という文脈の中で楽しむ心の余裕が生まれました。

世の中で何かに夢中になり、圧倒的な成果を出している人は、周りから見れば血の滲むような努力家に見えます。
しかし、本人には「努力している」という悲壮な自覚はこれっぽっちもありません。
ただ、楽しくて夢中でやっているだけなのです。

この「努力を努力と思わない無敵の状態」こそが、素晴らしい成果と豊かな人生を引き寄せる最大の源泉になります。

今日の稽古

これから取り組む仕事に対して、やらされ感で向き合っていないか。
「好きな仕事」を探す迷路に迷い込んでいないか。

目の前のタスクに向かう直前、自分にこう微笑みかけてみる。
「この仕事、けっこう好きかも!」と。

熱意は自ら創り出すもの。
今日も私は、目の前の仕事を好きになる心の稽古を実践していく。

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この記事を書いた人

合気道のまさ|合気道三段

人生のどん底から私を救ったのは、名著を「稽古」のように読み返す習慣と、合気道でした。

このブログでは、名著の知恵を合気道の身体感覚で読み解き、しなやかに生きる「型」をお届けします。

かつての私のようなあなたを、心から応援しています。

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