仕事で迷ったとき。
失敗して落ち込んだとき。
短い一言に、背中を押されることがあります。
松下幸之助氏の『道をひらく』は、1968年に出版された短い随筆集です。
発行元のPHP研究所によると、発行部数は570万部を超えています。
一編が見開き2ページなので、どこから読んでも、その日の自分に合う言葉に出会えます。
私はこの本を39回読み返し、一節ごとに40本以上の記事を書いてきました。
(2026年10月時点)
その中から今回、仕事で迷ったとき、失敗したとき、人との関係に悩んだときに効く名言を12選んで、場面ごとに紹介します。
名言は、読んで終わりにしない。迷ったときに一つ思い出して、明日の仕事で一つ使う。
そうやることで、少しずつ自分の言葉になっていきます。
迷ったとき、一歩が出ないときに読みたい『道をひらく』の名言

1. 道をひらくためには、まず歩まねばならぬ
他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道はすこしもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。
他人の道が気になって、立ちすくんでしまう。調べても、考えても、道はひらけません。分からないことがあっても、まず一歩を出す。歩いてみて初めて分かることがあります。
▶︎ くわしくは:やってみないと分からない道がある。松下幸之助『道をひらく』
2. 時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう
時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。だが何もせずに待つことは僥倖(ぎょうこう)を待つに等しい。
待つことは、何もしないことではありません。桜は春を待つあいだも、休みなく力をたくわえています。芽が出ない時期こそ、力をためる時期です。
▶︎ くわしくは:芽が出ないと焦る前に。松下幸之助と合気道に学ぶ「力を蓄える」稽古
3. 志を立てれば、事はもはや半ばは達せられたといってよい
志を立てよう。本気になって、真剣に志を立てよう。生命をかけるほどの思いで志を立てよう。志を立てれば、事はもはや半ばは達せられたといってよい。
何をしたいのかが決まると、迷いは減ります。松下氏は、志を立てるのに老いも若きもない、とも言います。
▶︎ くわしくは:「勝つ」から「克つ」へ。松下幸之助と合気道に学ぶ、志を立てる稽古
仕事に向き合うときに読みたい『道をひらく』の名言

4. 仕事というものは勝負である
仕事というものは勝負である。一刻一瞬が勝負である。だがおたがいに、勝負する気迫をもって、日々の仕事をすすめているかどうか。
慣れた仕事ほど、気迫が抜けていきがちです。毎日の仕事を勝負する気持ちで進めているか。自分に問い直したくなる一言です。
▶︎ くわしくは:仕事は勝負!松下幸之助と合気道に学ぶ「真剣勝負」の稽古
5. 何でもないことが何でもなくやれるには、かなりの修練が要る
何でもないことだが、この何でもないことが何でもなくやれるには、やはりかなりの修練が要るのである。
平凡に見える仕事を、平凡に積み重ねる。松下氏は、平凡が非凡に通じるのは、そこから生まれてくるのではないか、と書いています。
▶︎ くわしくは:平凡が、非凡を創る。松下幸之助と合気道に学ぶ「何でもないこと」の稽古
6. 同じことを同じままにいくら繰り返しても、そこには何の進歩もない
同じことを同じままにいくら繰り返しても、そこには何の進歩もない。先例におとなしく従うのもいいが、先例を破る新しい方法をくふうすることの方が大切である。
前からのやり方に従うだけでは、進歩はありません。やってみれば、そこに新しいくふうの道もつく、と松下氏は続けています。
▶︎ くわしくは:松下幸之助『道をひらく』は何がすごいのか。合気道に学ぶ、失敗より怖い「くふうのなさ」
失敗したとき、困難にぶつかったときに読みたい『道をひらく』の名言

7. 一度転んで気がつかなければ、七度転んでも同じこと
一度転んで気がつかなければ、七度転んでも同じこと。一度で気のつく人間になりたい。
失敗したら、そこから何かをつかんで起き上がる。松下氏は、これを「転んでもただ起きぬ」心がまえと呼んでいます。
▶︎ くわしくは:転んでもただ起きない。松下幸之助と合気道に学ぶ「真剣さ」の稽古
8. 失敗すればやりなおせばいい
とにかく考えてみること、くふうしてみること、そしてやってみること。失敗すればやりなおせばいい。やりなおしてダメならもう一度くふうし、もう一度やりなおせばいい。
考えて、くふうして、やってみる。ダメなら、もう一度くふうして、やりなおす。失敗を前提にしてよい、と思えると、一歩が軽くなります。
▶︎ くわしくは:失敗を前提に工夫する。松下幸之助と合気道に学ぶ「試行錯誤」の稽古
9. 雨にぬれて、はじめて傘の必要を知る
雨の日に傘がないのは、天気の時に油断して、その用意をしなかったからだ。雨にぬれて、はじめて傘の必要を知る。
うまくいっているときほど、次の雨への備えを忘れます。晴れの日にこそ、傘を用意しておく。
▶︎ くわしくは:晴れの日に「傘」を用意する。松下幸之助と合気道に学ぶ、トラブルを未然に防ぐ稽古
10. 心配またよし
憂事に直面しても、これを恐れてはならない。しりごみしてはならない。”心配またよし”である。
心配や憂いは、新しく考えだす一つの転機になる。そう思い直して、正々堂々と取り組む。心配を、前に進む力に変える言葉です。
▶︎ くわしくは:恐怖から逃げず、懐に飛び込む。松下幸之助と合気道に学ぶ「心配またよし」の稽古
人との関係、自分を見つめるときに読みたい『道をひらく』の名言

11. わからなければ、人に聞くことである
わからなければ、人に聞くことである。己のカラにとじこもらないで、素直に謙虚に人の教えに耳を傾けることである。
経験を積むほど、人に聞きにくくなります。分からないときは、素直に聞く。年齢や立場に関係なく、効く一言です。
▶︎ くわしくは:素直に教えを乞う。松下幸之助と合気道に学ぶ「謙虚」の稽古
12. すべてを他人のせいにしてしまいたいのは、勇気なき姿である
すべてを他人のせいにしてしまいたいのは、人情の常ではあろうけれども、それは実は勇気なき姿である。
うまくいかないとき、人のせいにしたくなるのは自然なことです。そこで一度、自分のほうを振り返れるかどうか。
▶︎ くわしくは:技がかからないとき、受けのせいにしたくなる。松下幸之助「勇気なき姿」
名言は、迷ったときに一つ思い出す

『道をひらく』は、一度読んで終わる本ではありません。
私はこの本を何度も読み返していますが、読み返すたびに目に止まる一節が変わります。
迷ったとき、失敗したとき、この12の中から一つだけ思い出す。
それだけで、明日の一歩が少し変わることがあります。
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