これまでのやり方で、ずっとうまくいってきた。
今回も同じように進めた。
それなのに、なぜか動かない。
前は通った話が通らない。
そこで「今まで通り」を強く押すほど、反発が増えて、身動きがとれなくなります。
松下幸之助氏は『続・道をひらく』で、危機とは転機の自覚のないことをいう、と書いています。
止まったところが、転機です。
止まったことに気づいたら、押すのをやめて、考え方を変える。
動かないなら、やり方ごと変えていい。
合気道の稽古で、途中で止まった技から学んだことを書きます。
松下幸之助「危機とは転機の自覚のないことをいうのである」
今まで通りではいけないのである。今まで通りに安住してはいけないのである。思いを一新しなければならぬ。やり方を一変しなければならぬ。日本も世界も、今日ただいまはそういうときなのである。そういうきびしい転機に立っているのである。
危機とは転機の自覚のないことをいうのである。
(松下幸之助『続・道をひらく』より)
今まで通りに安住していると、途中で進まなくなっても、それが転機だとは思えません。
うまくいっていた人ほど、変える理由が見えにくくなります。
これまで通ってきたやり方だからです。
途中までうまくいった技が、止まる

合気道でも、途中まではうまくいっていた技が、急に止まることがあります。そこが転機です。
そのままの流れで動けるはずだった。でも、途中で止まった。
止まったとき、つい相手のせいにしたくなります。
そう思っているあいだは、今まで通りの軌道のまま、もう一度押してしまう。
動かないものを、無理に動かそうとしてはいけません。動かないところを無理に動かそうとしても、動けない。今まで通りの軌道で動こうとすると、反発されて、どうもこうもできなくなります。
いまは転機なのだと気づいて、考え方を変える。
現実を受け入れて、柔軟に変えていく。
動かなければ、その技にこだわらず、別の技に変えていいのです。
松下氏の言う「思いを一新」と「やり方を一変」は、稽古ではこの順番で起きます。
まず、いまが転機だと気づいて、考え方を変える。
それでも動かなければ、技そのものを変える。
止まったら、何が変わったのかを見る

仕事でも、止まったことに気づけるかどうかで、その先が変わります。
前は通った進め方が、今回は通らない。そこで「前はこれで通った」と押すと、相手は反発します。押した分だけ、こちらも動けなくなります。
私の会社では、会議は必ず本社に出張して出るものでした。それが当たり前でした。
コロナになって、リモート会議が一気に進みました。
コロナが明けても、本社に行かずに会議をするのが当たり前になっています。
年々、考え方は変わります。
当たり前だったやり方も、ある日、当たり前ではなくなる。
止まったと感じたら、一度押すのをやめて、何が変わったのかを見る。
相手が変わったのか、状況が変わったのか。
前はなぜ通ったのかを考えると、いま通らない理由も見えてきます。
理由が見えれば、変えるところと、残すところの区別がつきます。
そのうえで、やり方を変える。
今まで通りにこだわらなくていい。
今日の稽古

途中でうまくいかなくなったとき、こう自分に問いかける。
「いまが、転機ではないか」と。
今日も私は、止まったところで考え方を変える稽古を続ける。
■ こちらの記事もあわせて読まれています
【型通りに動かないとき】
最善に固執しない。動かないなら、動くところに動かせばいい。師範の言葉から書きました。
▶︎ 理想に固執しない。松下幸之助と合気道に学ぶ「次善」の稽古
【止まると、相手のせいにしたくなる】
技がかからないとき、受けのせいにしたくなる。その気持ちとどう向き合うかを書きました。
▶︎ 技がかからないとき、受けのせいにしたくなる。松下幸之助「勇気なき姿」
【いまの会社の外側を知る】
今までのやり方が通じないとき、比べる物差しが社内にしかないことがあります。外の基準を一度知る、という話です。
▶︎ もう働きたくないと思う50代。辞めなくていい。一度、外の基準を知るだけでいい
■ この記事を書くにあたって読み返した本

コメント