理想は未来の目標ではない。中村天風と合気道に学ぶ「今の姿勢」の稽古

あなたは今、どんな人生を生きたいと思っているでしょうか。

日々の忙しさの中で、ただ「目の前のタスクをこなすだけ」になっていないでしょうか。
胸を張って語れる人生や、気高い自分の姿を「いつか時間ができたら叶えたい理想」として、遠い未来に棚上げしていないでしょうか。

目次

理想を持った瞬間から、その人になる

中村天風氏は、著書『運命を拓く』の中で、理想を現実化するプロセスについてこのように語っています。

自分の人生を、気高い内容と、価値の高い標準で持つ人は、その理想が現実になる前から現実になったと同じような、人生境涯で活きているのと同様である。
(中村天風『運命を拓く』より)

理想が叶ってから、その素晴らしい人物になるのではありません。
「こういう人間でありたい」という気高い標準(理想)を心に掲げたその瞬間から、すでにその人として生き始めるのだ、と天風氏は語ります。

理想とは、いつか到達する遠い未来のゴールではなく、「今、どう在るか」という生きる姿勢そのものなのです。

理想を「今の姿勢」として体現する

この「理想は未来ではなく今の姿勢にある」という哲学は、合気道の稽古を通じて、身体感覚として深く理解することができます。

合気道は、ただ強くなることや上手くなることよりも、人格の完成を目指す武道だと言われます。
そのためには、倦(う)まず、弛(たゆ)まず、日々の地道な稽古を積み重ねていくしかありません。

しかし、立派な有段者や達人になってから、初めて素晴らしい振る舞いをするわけではないのです。

道場に足を踏み入れた瞬間の一礼。
正座をして相手と向かい合う時の姿勢。
稽古する時の相手を尊重する心。

まだ技術が未熟な白帯であっても、「道を修める者」としての理想を持った瞬間から、その理想にふさわしい「構え」と「姿勢」で立つことが求められます。
道場での一つひとつの所作は、未来の目標のための準備ではなく、すでに理想を生きる「実践」なのです。

今日の稽古

「いつか立派になったら」と、理想を遠い未来に先送りにしていないか。
まだ未熟でも、到達していなくても、気高い標準を持ち、今の姿勢を正す。

理想を持つとは、今この瞬間の生き方を選ぶことである。
今日も私は、未来を待つのではなく、理想の自分にふさわしい姿勢で今を生きる稽古を実践する。


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この記事を書いた人

合気道のまさ|合気道三段

人生のどん底から私を救ったのは、名著を「稽古」のように読み返す習慣と、合気道でした。

このブログでは、名著の知恵を合気道の身体感覚で読み解き、しなやかに生きる「型」をお届けします。

かつての私のようなあなたを、心から応援しています。

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