「どうせうまくいかないから」と、最初から諦めてしまったり、一度の失敗で「自分には向いていない」と投げ出したりしていませんか?
新しいことに挑戦する時、最初から完璧にできる人などいません。
大切なのは、失敗を恐れることではなく、失敗を前提として「工夫し続ける」ことです。
何度でも工夫し、やり直せばいい
松下幸之助氏は、著書『道をひらく』の中で、試行錯誤の重要性について次のように語っています。
とにかく考えてみること、くふうしてみること、そしてやってみること。失敗すればやりなおせばいい。やりなおしてダメならもう一度くふうし、もう一度やりなおせばいい。
(松下幸之助『道をひらく』より)
失敗したら終わりではなく、そこからやり直せばいい。
やり直してダメなら、また別の工夫を凝らしてやってみる。
この泥臭くも前向きな「試行錯誤」の繰り返しこそが、道をひらく方法だと松下氏は説きます。
日常にはない動き「膝行」の難しさ
合気道の道場でも、この「工夫してやり直す」ことの連続です。
例えば、準備運動の段階で行う「膝行(しっこう)」という、膝をついて移動する基本動作があります。
前進、後退、回転、連続回転などを準備運動で行うのですが、これが非常に難しいのです。
膝行のポイントは「軸を立てて、視線を下に向けないこと」。
しかし、日常生活で膝をついて歩く機会など無いため、最初はすぐに足が痛くなり、つい下を向いてバランスを崩し、ふらふらとした動きになってしまいます。
特に片膝を軸にして回る「回転」は至難の業です。
もう片方の膝を開き、そのままその膝を今度は軸にしていく。
頭では分かっていても、いざやろうとすると全くできず、簡単にバランスを崩してしまいます。
試行錯誤の先に、美しい動きが生まれる
しかし、そこで「自分にはできない」と諦めるわけにはいきません。
どうやれば軸がぶれないのか、視線をどこに置けばいいのか、体の使い方をひたすら工夫します。
前回とは違うやり方を試し、バランスを崩してはまた別の方法を試す。
そうやって何度も何度も試行錯誤を繰り返していくうちに、少しずつ身体が理合いを覚え、身についていきます。
最初はあんなにふらふらで無様だった膝行が、やがて軽やかで美しい膝行へと変わっていくのです。
失敗を前提に工夫を続けること。
その地道な繰り返しが、人生においても確かな技(軸)を作り上げます。
今日の稽古
一度の失敗で、「自分には才能がない」と諦めていないか。
失敗は終わりではなく、次の工夫のためのデータに過ぎない。
上手くいかない時、自分にこう語りかける。
「ダメならもう一度工夫し、やり直せばいい」と。
最初から完璧を求めず、試行錯誤の過程を楽しむ。
今日も私は、失敗を恐れず、何度でも工夫してやり直す稽古を実践する。
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