「最近、どうも疲れやすくて元気が出ない」
「周囲のネガティブな空気に引きずられて、気分が暗くなってしまう」
日々の仕事や慌ただしい日常の中で、私たちは知らず知らずのうちにエネルギーを消耗し、心が消極的な方向へ傾いてしまうことがあります。
心が沈むと、目の前の現実まで暗くなってくる。
その悪循環から抜け出すには、一体どうすればよいのでしょうか。
心の気分が、引き寄せる気の種類を決める
中村天風氏は、この宇宙に満ちるエネルギーと人間の心の関係について、著書『運命を拓く』の中で極めて明快な法則を説いています。
この大宇宙の中には精気というものがあって、その精気の中には、積極の気と消極の気とが入り混って、遍満している。その気が人間の心の中の気分と常に同化的に働いている。積極的なことを考えればプラス(正)の気が入ってくるし、消極的の気分になればマイナス(負)の気が入ってくる。
(中村天風『運命を拓く』より)
大宇宙に満ちる「精気」には、積極の気と消極の気があります。
そして人間の心は、それを引き寄せるアンテナなのです。
前向きで積極的な心を持てば、プラスの気が同化して流れ込んできます。
逆に、愚痴や不満、不安に囚われれば、瞬時にマイナスの気が引き寄せられてしまいます。
自分の心の気分が、そのまま自分を満たすエネルギーの質を決めているのです。
固まった身体からは、何も生まれない
この「積極の気と同化する」という天風氏の教えを、合気道は身体感覚として体現しています。
合気道の稽古では、師範から「気を出せ」と何度も指導されます。
形だけをなぞっても気が出ていないと、相手を動かすことはできません。
稽古で相手にガッチリと手首を掴まれた時、こちらの心が消極的となり身体が固まってしまうと、相手の腕力に押さえ込まれて動けなくなってしまいます。
力で対抗しようとすればするほど、ぶつかり合い、膠着するだけです。
しかし、ここで意識を切り替えます。
丹田から気を出して、自分と相手の丹田を合わせるのです。
すると不思議なことに、あれほど重かった腕がスッと嘘のように動き出します。
こちらの気が相手の気と合わさり、ぶつかることなく相手の体勢を崩すことができるのです。
自ら気を出すと、不思議と身体の内側から自然と元気が湧き上がってきます。
こちらがプラスの気を出しているからこそ、相手とも気を合わせることができ、心地よい調和が生まれるのです。
これは道場の中だけの話ではありません。
人生という舞台でも、自らプラスの気を出すことで、間違いなく良い流れを生み出すことができます。
放った気は、周囲を明るくして返ってくる
私たちが放つプラスの気は、自分を元気にするだけではありません。
目の前の相手のため、世のため人のためになるエネルギーです。
自分が発した明るい気が周囲に伝わり、周りの人も笑顔になります。
それがまた自分に返ってきて、さらに心が明るくなるのです。
これこそが、天風氏のいう宇宙の積極の気と同化する生き方であり、合気道が目指す調和の姿です。
仕事がうまくいかない時、心がざわつく時こそ、自分の殻に閉じこもってマイナスの気を呼び込むのではなく、自分からプラスの気を出し続けるのです。
その姿勢の積み重ねが、人生をどこまでも明るく、楽しく、愉快なものへ変えていくのです。
今日の稽古
心が消極的になり、周囲のマイナスな空気に引きずられていないか。
大宇宙の気は、自分の心の気分と同化する。
不安や不満に心が支配されそうになった時、自分にこう語りかける。
「今こそ、自分からプラスの気を出そう」と。
消極の気を手放し、自ら元気を生み出し、周囲を明るく照らす。
今日も私は、明るく愉快に「積極の気」を出し続ける稽古を実践する。
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