「芽が出ない」と嘆く前に。松下幸之助と合気道に学ぶ、時を味方につける「蓄え」の極意

松下幸之助

「いつまで待てばいいのだろう」と焦るあなたへ

頑張っている。地道に続けている。 けれど、目に見える道が見えない。
周りは軽やかにステージを変えていくのに、自分だけが同じ場所でもがいているように感じる。

「このままで、いつか報われる日が来るのだろうか」

そう言って、自分を疑いたくなるときもあります。
でも、安心してください。
今、あなたが感じているその「停滞感」は、大きな飛躍のために必要なステップなのかもしれません。

桜は「一瞬の休みもなく」春を待っている

経営の神様と呼ばれた松下幸之助氏は、この「待つ時期」の過ごし方について、非常に美しい比喩を残しています。

時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。だが何もせずに待つことは僥倖(ぎょうこう)を待つに等しい。静かに春を待つ桜は、一瞬の休みもなく力をたくわえている。たくわえられた力がなければ、時が来ても事は成就しないであろう。
時を得ぬ人は静かに待つがよい。大自然の恵みを心から信じ、時の来るのを信じて、着々とわが力をたくわえるがよい。着々とわが力をたくわえる人には、時は必ず来る。時期は必ず来る。
(松下幸之助『道をひらく』より)

冬の桜は枯れているように見えて、実は内側でエネルギーを一心に溜め込んでいます。目に見える華やかさはありませんが、一瞬の休みもなく力を蓄えている。
だからこそ、春が来た瞬間に、あんなにも鮮やかに咲き誇れるのです。

地道な反復の先に訪れる「ふと、できる」瞬間

合気道の稽古もまた、この「蓄え」の連続です。 同じ動きを、何度も、何度も、繰り返します。

早く上達したい。かっこよく技をかけたい。けれど、理屈は分かっていても、身体は思うように動いてくれません。「あ、今のはできたかも」と思っても、次の稽古ではまた分からなくなる。
その繰り返しです。

それでも師範の言葉を信じ、言われた通りに何度も稽古を重ねる。
すると、ある日突然、その時が来ます。 考えなくても、相手に合わせて身体が自然と動く。 それは、昨日今日の努力で手に入るものではありません。

長年の地道な反復によって技が身体に染み込んだ結果、ふっと溢れ出た瞬間なのです。

停滞は「退歩」ではなく「蓄積」である

もし今、あなたが「何も変わっていない」と感じているなら、それはあなたが「桜の冬」を過ごしているからです。

努力をしているのに、方向性もあっているのに、それでも結果が出ないのは、力が足りないのではありません。 今まさに力を蓄えているときです。

合気道の技がふと身につくように、人生の転機もまた、ある日突然やってきます。大切なのは、その時が来ると信じて、今この瞬間の「地道な稽古」を止めないことです。

見えない変化を「着々と」信じるために

手軽な成果を探すのはやめましょう。
代わりに、「昨日よりも、少しだけ丁寧にメールを書けた」「昨日よりも、一分だけ長く本を読めた」といった、あなたにしか分からない小さな「蓄え」を見つけてください。

目には見えなくても、あなたの内側では確実に「時」に向けての準備が進んでいます。「着々と、力を蓄えているな」。寝る前にそう自分に声をかけるだけで、あなたの「待つ心」は、焦りから確信へと変わっていきます。

華やかに咲いている時よりも、じっと耐え、静かに力を蓄えているあなたの姿勢はとても美しいです。

誰にも気づかれないような地道な努力。その一歩一歩が、あなたの魂をどれほど深く耕しているか。私は、その姿を全力で応援します。

時は、必ず来ます。 だから今は、安心して「着々と」進んでいきましょう。

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