「会議で反対意見を言われるのが怖い」
「苦手な上司にうまく説明できるのか不安」……。
私たちは日々、恐怖で心をすり減らし、本来持っている力を出せずにいます。
心が不安でいると、私たちの人生に恐怖が入り込む「隙」が生まれます。
今日は、中村天風氏が戦場でいくつもの死線を越えることができた「心の転換」の真理と、合気道の「入り身(いりみ)」の精神についてお話しします。
恐怖から逃げるのではなく、あえて無心で一歩踏み込む。そんな強靭な心を養うヒントをお届けします。
中村天風が気づいた「心の転換」
中村天風氏は、死に直面していたはずの軍事探偵時代と、肺病になった時の自分を比べ、このように述懐しています。
滝のそばにジーッと座りながら、軍事探偵をしていたときの気持ちと、病になってからのだらしない気持ちとを比べて、考えながら気がついた。「ああ、やっぱりなあ。あのとき恐ろしさを少しも感じなかったのは、私の心が死ということから離れて、むしろ確固たる覚悟の力で、無念無想の方面へ完全に心機が転換されていたからだ」と、つくづく感じたんだ。
(中村天風『盛大な人生』より)
「死」の恐怖から離れて、心を「無念無想」へと切り替える。
天風氏は、「周囲の状況」が安全だから心が強くなるのではなく、自分の内なる「心」が恐怖のない無念無想に転換していたからこそ、胆力を発揮できたのだと気づいたのです。
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合気道の「入り身」。一番怖い場所が、一番安全な場所
合気道の稽古でも、この「無念無想」を感じる瞬間があります。
相手が上段に突いてくる。
木剣で斬りこんでくる。
その手や剣を見て、怖いと怯んだり、どう避けようと考えてしまうと、そこに一瞬の隙ができます。相手に動きが伝わって、攻撃を受けてしまいます。
そこで私たちがとる動きが「入り身」です。
突いてくる手や打ってくる剣は見ない、相手の全体を捉える。
そして、恐怖を捨てて、あえて相手の懐に、死線の内側にスッと踏み込みます。
恐怖から逃げようとして距離をとるのではなく、あえて「入り身」する。
実は、一番危険に思える相手の懐こそが、最も攻撃が届かない「安全地帯」なのです。
無念無想であればこそ、相手はこちらがかわしたことさえ気づかないほど、自然で静かな入り身ができるのです。
「無心」で踏み込めば、道は自ずとひらける
ビジネスや日常の人間関係でも、私たちは常に見えない何かと立ち合っている状態です。
「発言して批判されるのが怖い」
「うまくできそうにないのが怖い」
それは合気道で「突いてくる手」を見て怯えている状態です。
大切なのは、天風氏の言う「心の転換」です。
相手の反応への恐怖を捨て、目の前の課題の中心に「入り身」してみる。
逃げずに、あえて無心で物事の核心部分にスッと踏み込む。
そうして無心で動いたとき、あれほど怖かった仕事なのに、心がザワつかず、スムーズに回り始めます。
今日の稽古
何か「怖いな」「不安だな」と思ったら、自分にこう語りかけます。
「枝葉(相手の反応)を見るな。全体(自分の目的)を見て、一歩踏み込もう」
日々、底知れぬ恐怖に苦しむあなたを、誰かがちゃんと見ています。大丈夫です。
恐怖は恐怖を生みます。心に恐怖が入り込む隙を与えないようにすることです。
突いてくる怖い手(枝葉)を見ずに、成し遂げたい目的(全体)を見る。
恐怖から離れた心で静かに踏み込む。
大丈夫です。あなたも必ずできるようになります。
これからも一緒に、無念無想の入り身の稽古を続けていきましょう。
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