「どうせ自分には無理だ」と、何かに挑戦する前から諦めてしまっていないでしょうか?
「いつも悪い結果ばかりが頭に浮かんで、行動を起こせない」
日々の仕事や人生の選択において、私たちは知らず知らずのうちに、自分自身で限界の壁を作り出してしまうことがあります。
しかし、私たちの「心の持ちよう」ひとつで、目の前の現実はもちろん、これからの運命をも劇的に変えていくことができるとしたら、その方法を知りたくはないでしょうか。
今回は、日本を代表する哲人・中村天風氏が説く「思考が人生をつくる真意」と、合気道の「座技呼吸法」の実体験から見えてきたイメージの威力についてお話しします。
中村天風が説く「思考は人生をつくる」の真意
中村天風氏は、人間の思考が現実化していくメカニズムについて、著書『成功の実現』の中で次のように明確に解き明かしています。
心のなかで思ったり考えたりすることを、心のスクリーンに想像力を応用して描くと、それが期せずして強固な信念となる。信念となると、それがいつかは具体化するのが必然の神秘なんだ、ということが悟れたわけだ。
これなんだよ。「思考は人生をつくる」という言葉の意味は。心はその人をつくりもし、また壊しもするという恐ろしいものなんだ。人生はまこと心ひとつのおきどころ。
(中村天風『成功の実現』より)
天風氏の教えにおいて重要なのは、ただ漠然と「こうなりたいな」と思うだけでなく、ありありと「心のスクリーンに映像として描く」ということです。
想像力を働かせて鮮明に描かれた映像は、やがて疑いのない「強固な信念」へと変わり、それが現実となって目の前に現れてくる。
心は、その人を生かしもすれば、壊しもする恐ろしい力を秘めているからこそ、人生の良し悪しはまさに「心ひとつの置きどころ」次第なのだと天風氏は言い切っているのです。
「座技呼吸法」で体感するイメージの威力
この「心に描いたイメージが現実を動かす」という瞬間を、私は合気道の稽古、特に「座技呼吸法」を通じていつも体感します。
座技呼吸法では、正座で相手と対峙し、自分の両腕を相手にガッチリと上から強く押さえられます。
このとき、こちらの心に「重たいな」「崩せるだろうか」という疑念を持ったり、力で押し返そうとすれば、その瞬間に相手の強い抵抗にぶつかってしまい、腕は頑として動きません。
しかし、ここで「できない」という疑念を完全に捨て去り、全く別のイメージを心に映し出します。
目の前の相手を意識するのをやめ、「相手のはるか後ろにある、あの道場の壁にでも触ろうかなあ」というイメージを持つのです。
すると不思議なことに、あれほど重かった腕がスッと嘘のように滑らかに動き出します。
こちらの「気」が相手の身体を通過し、ぶつかり合うことなく、流れるように相手の体勢が崩れていくのです。
「できる」と信じること。
この余裕と自信に満ちた究極の脱力状態こそが、天風氏の言う「強固な信念」が身体の動きとなって現れた姿に他なりません。
信念を具体化するための「心のスクリーン」活用法
人間関係や日々のビジネスの現場においても、この座技呼吸法と全く同じ原理が働いています。
何か新しいプロジェクトや困難な課題を前にしたとき、心のスクリーンに「失敗して怒られている自分」や「最終的にできなかった姿」を描いてしまえば、人間の能力にブレーキがかかり、本当にその通りの現実が引き寄せられてしまいます。
しかし、それを軽やかにやり遂げ、周囲と喜び合っている成功の景色を強固に描き続けることができれば、私たちの行動や判断は、自ずと成功の目的地へと向かって動き出します。
人生の歩みは、心のなかに強烈に思い描いた「設計図」に従って形作られていくものなのです。
だからこそ、今この瞬間に、自分の心に何を映し出すのかが極めて重要な意味を持ちます。
今日の稽古
今、心のスクリーンに、どんな映像を映し出しているか。
苦戦して疲れ果てている自分を想像しそうになった時、自分にこう語りかける。
「楽しそうにやり遂げている自分を思い描こう」と。
積極的な想像の力こそが、運命を新しく動かす強固な信念となる。
今日も私は、理想の未来を具体化する稽古を続けていく。
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