「もっと自分のスキルを上げたい」
「早く結果を出して、周りに認められたい」
仕事や日常において、私たちはつい「自分がいかに成長するか」「自分がいかに評価されるか」という、自分中心のベクトルに囚われてしまいます。
しかし、自分のことばかりに気を取られているとしたら、果たして私たちは本当に人として大切な成長ができているのでしょうか。
自分中心のベクトルを手放す
デール・カーネギー氏は、歴史的ベストセラー『人を動かす』の中で、人間関係を築くためのシンプルかつ強力な原則を説いています。
どんなに重要人物でも、成功者でも、人から関心を寄せられて喜びを感じない人はいない。
(デール・カーネギー『人を動かす』より)
人は皆、自分に関心を持ってほしいという強い欲求を持っています。
だからこそ、自分が認められようと躍起になるのではなく、まず相手に純粋な関心を寄せること。
相手を知ろうとし、相手の喜びに寄り添うこと。
その「他者への関心」が、人の心を動かし、強固な信頼関係を築くのだとカーネギー氏は語ります。
自分だけがうまくなろうとしない
この「相手に関心を寄せる」という原則は、合気道の技術を磨く上でも非常に大切です。
合気道では、技をかける「取り」と、技を受ける「受け」を交互に繰り返します。
この時、「自分が取りの時だけ一生懸命になり、いかに自分がうまくなるか」ばかりを考えている人は、実はなかなか上達しません。
本当に上達する人は、「受け」に回った時の姿勢が全く違います。
相手の動きに深い関心を寄せ、相手の技の軌道、力み、良いところ、改善が必要なところを、自らの身体を通じてしっかりと受け止めようとします。
そして、言葉で伝えたり、あえて倒れずに身体の感覚で「ここがぶつかっている」と無言で伝えたりするのです。
純粋な関心が、最高の成長の場を創る
こちらの「受け」が真剣に相手の技を感じよう、相手の成長に貢献しようとすればするほど、いざ攻守が交代し、自分が「取り(技をかける側)」になった時、相手もまた、こちらの技の特徴や癖を真剣に感じ取ろうとしてくれるのです。
「自分ばかりがうまくなろう」というエゴを手放し、目の前の相手に深く関心を寄せる。
その純粋な関心のやり取りが、結果的にお互いの技術と心を高め合う、最高の成長の場を創り出します。
組織やコミュニティにおける人間関係も全く同じです。
自分の評価ばかりを気にするのではなく、目の前の相手に深く関心を寄せ、ともに良くなっていこうとする姿勢の積み重ねが、一人では到底到達できない高みへと私たちを導いてくれるのです。
今日の稽古
自分の成長や評価ばかりを気にして、周囲への関心を失っていないか。
人は誰でも、自分に純粋な関心を寄せてくれる人に心を開く。
つい自分中心のベクトルになりそうな時、自分にこう語りかける。
「目の前の相手に深い関心を寄せよう」と。
相手の成長を真剣に受け止め、ともに高め合う。
今日も私は、エゴを手放し、相手に純粋な関心を寄せる人間関係の稽古を実践する。
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