「あの人を言い負かそう」
「負けないように先に仕掛けよう。攻撃こそ最大の防御だ」……。
職場で難しい指摘を受けたり、人間関係がうまくいかないとき、私たちはつい相手を攻撃し、打ち負かそうとしてしまいます。
今日は、稲盛和夫氏が語る「まごころの強さ」と、合気道の「争わない強さ」についてお話しします。
相手をやっつけるのではなく、自分を最高に磨き上げていくことで身を守る。そんな、しなやかで圧倒的な強さを手に入れるヒントをお届けします。
稲盛和夫が説く、「思いやり」の力
稲盛和夫氏は、国を守るための方法について、このような考えを述べています。
このように勤勉に働いた成果で他の国を助けてあげること、このことはどれほどの軍備をもつよりも、どんな条約を締結するよりも、その国にとっては強い安全保障になると私は思います。それは、そういう思いやりあふれる民族を侵すことができないからです。そうなれば、その民族はどこの国に行っても尊敬されるようになるでしょう。
(稲盛和夫『稲盛和夫の哲学』より)
これは国家の話ですが、一個人の生き方にも同じことが言えます。
自分を守るために、どれほど隙のない理屈を並べても、本当の安全は得られません。
周囲への思いやりを持ち、勤勉に努力を重ねる人格を持つこと。それこそが「この人を攻撃することはできない」と周囲に思わせる、最強の防御策になるのです。
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合気道の「相手の攻撃する意志を断つ」
この稲盛氏の哲学は、まさに合気道の「和の精神」です。
武道というと、いかに相手を力強く打ち倒すか、ということを想像するかもしれません。
しかし、合気道が目指すのは「攻撃を超える」ことです。 相手をやっつけることではありません。相手に「攻撃しようとする意志そのものを起こさせない」ほどに、気を合わせ、自分の人格を高めることなのです。
そのために、道場で努力を積み重ねます。
「誰にも負けない努力」をひたすら続けるのは、目の前の相手に打ち勝つためではなく、自分自身を磨き上げるためなのです。
その地道な稽古の結晶が、結果として、争いそのものを無力化する。
それを具現化できる武道が、合気道なのです。
まごころと自分を磨く努力が、あなたを守る
仕事や日常でも同じです。
誰かに攻撃的な言葉を投げかけられて、同じように言葉の武器で反撃すれば、そこには争いが生まれます。
そうではなく、日々まごころをもって相手と接していく。自分の仕事に打ち込み、誰にも負けない努力で自分を磨いていく。
そのひたむきな姿勢と積み上げられた信頼は、やがて気高い人格となり、あなたを理不尽な攻撃から守ってくれることでしょう。
今日の稽古
苦手な相手をやっつけたいと感じたら、こう自分に語りかける。
「相手の立場に立って、まごころで接してみよう」
自分を守るために、完全防御の理論武装をしたり、舌鋒鋭い言葉を持たなくても大丈夫です。
あなたが日々積み重ねている誠実な努力そのものが、誰も侵すことのできない美しい強さになります。
これからも一緒に、争わない「まごころ」の稽古を続けていきましょう。
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